相続財産・不在者財産管理人

1 相続財産管理人

相続人があるかどうか明らかでないときは、家庭裁判所に相続財産管理人の選任を申し立てます。相続人がいたが、相続人全員が相続を放棄したという場合にも相続財産管理人を選任することになります。相続財産管理人は、相続財産を換金し、債権者に配当して、相続財産を清算します。債権全額を支払っても、残余財産があるときは、相続財産管理人は、特別縁故者(後見人や被相続人の介護をしていた人など)に財産を分与します。以上の手続を行っても、なお、財産が残るときは、相続財産は国庫帰属となります。
相続を放棄したが、相続財産の清算手続をしたいという場合や債権を有しているが相続人が相続を放棄してしまったというような場合は、弁護士にご相談ください。

2 不在者財産管理人

住所及び居所が不明の人(所在不明の人)がいる場合、利害関係を有する人は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てることができます。不在者財産管理人は、不在者が帰還するまでの間、不在者の財産を管理します。不在者に対する債権を有している人や不在者の財産の管理をする必要がある家族の方は、不在者財産管理人選任の申立をすることになります。なお、不在者の生死が7年以上不明の場合は、失踪宣告を受け、生死不明が7年継続した時点で死亡したものとみなされます。

<参照条文>

(不在者の財産の管理)

第二十五条 従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。

(失踪の宣告)

第三十条 不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。

(相続財産法人の成立)

第九百五十一条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。

(相続財産の管理人の選任)

第九百五十二条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の管理人を選任しなければならない。

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